次男のこと~重度のアトピーに生まれて その4
小学校に入学した頃から、再びアトピーが悪化し始めた。
一時期は保湿剤だけで何とか過ごせていたのに、またステロイドに頼らざるを得ない。
しかも、ステロイドは確かに炎症を抑える作用はあっても、痒みには聞かないと
本人が言う。
冬場の乾燥、夏のジメジメした汗、春秋の花粉。全部が敵。
食べ物は、卵、牛乳、小麦は勿論、米、肉、魚、果物まで、アレルギー検査で
反応しない食べ物はない。
医者からは、全てを除去するわけにはいかないので、出来るだけ同じものを食べないようにしましょう、そして反応が出たら、暫く除去してください、とのアドバイス。
だけど・・・、何を食べさせたら良いの?
大丈夫なの?
卵は全然使わない訳にはいかないから、出来るだけ少なめに、小麦粉も控えめに、、、。
朝はパン食は辞めて、ご飯にして。
回転寿司に行くと翌日必ず具合が悪くなる。生物は一切食べずに、納豆巻とか、カルビとか、もはやお寿司とは言い難いものしか食べてないのに。
家族で外食も余り出来なかった。
ダニ、ハウスダスト、のアレルギーの数値は、いつも検査結果の用紙の項目の中で、
振り切れるほどの値で、医師からは毎日カーテンにも掃除機をかけてください、と言われ。
とてもそこまで手が回らなかったので、家中のカーテンをレースだけにして、
ソファーカバーも取っ払い、敷物も布製のものはしかない。
他の人が見たら、とても無味乾燥な家になったと思う。
あの頃の私と次男にとって、アレルギーを起こさず生活することが、何よりも優先すべきことだった。
アトピーの治療法をネットで検索し続け、
飲み物はどくだみ茶、漢方も処方してもらいに遠方まで通い、白虎加人参湯、
消風散、当帰芍薬散、黄耆建中湯、などなどその他沢山・・・幼い次男は沢山の薬の名前を覚え、薬の多さに名前を覚えきれない私に代わり、
今飲んでいるい薬は?と聞かれると、いつもスラスラと答えていた。
苦い薬を頑張って沢山飲み、検査や治療で注射や点滴の痛さに慣れ、
それでも改善しないアトピー。
海の塩水と紫外線が効くらしい・・・。
夏休み、ホテルを取って海に連れて行った。塩水が染みて痛いと言う。
それでは湯治は?
実は長男も次男ほどではないがアトピーがある。この時、長男は目の周りが炎症で
赤くただれ、やはりステロイドが効かない状態が続いていた。
草津温泉は長男には効果があったらしい。
本人が明らかに改善したと感じたらしいのだ。
が、次男にはほぼ効果がなかった。
これは後に書く、豊富温泉でも言えることだが、
海水で改善することも、草津で治る人も、本当にいるのだと思う。
豊富温泉で治る人もいれば、残念ながら効果がない人もいるのだろう。
西洋の治療薬にしても、全ての人に同じように作用する訳ではないのと同様に、
本人の持って生まれた体質もあれば、その時の環境、症状、様々な要因が
絡み合っている以上、本人にとって効果のある治療法は、試行錯誤を繰り返し
本人が見つけて行くしかないのだと思う。
医者は医学のプロフェッショナルかも知れないが、患者の体を一番知っっているのは患者自身であり、患者自身のプロフェッショナルは患者にしかなりえないと、私は
思っている。
因みに、草津温泉の効能について私の素人的分析では、
ジクジクしたアトピーには効果があるのでは?と感じている。
長男は正にジクジクした状態。次男は乾燥性のアトピーだった。
草津はかなり高温の温泉で、しかも特にアトピーに効くと言われる白旗の湯は
火傷するのでは?と思うほどの高温。
温泉に入った後、皮膚が乾燥するのだと思う。
一方、豊富温泉は油分を多く含んだ保湿性の高いお湯。
一口に湯治と言っても、それぞれの症状にあったお湯でなければ、悪化する可能性もあるとは思っている。