北の空から~アトピー湯治留学 豊富温泉へ移住

アトピーの息子と北海道の北の端の豊富温泉に湯治留学するまでの出来事とそこでの日々を綴ります。

移住に向けて

 

 さて、1ヶ月前は藁をもすがる思いで、半ば神頼み、

ここでだめだったらこの先どうなってしまうのか?

もう何も考えられないという状態で、次男と必死でやって来た

未知数だった道を、

今回はしっかりと未来を見据えて辿る。

次男のアトピーの改善の鍵を握りしめて。

一日がかりの移動の末に、久しぶりの我が家。

 

 少なくても1年は北海道で過ごすことになるが、

その先はまだどうなるか分からない。

次男の今後の回復によっては、1年後にはまたこちらに戻るのかも

知れないし、もしかしたら数年を北海道で過ごすかも知れない。

引越荷物は必要最低限に抑えたかった。

次男と二人分の最低限の引っ越しなので、

引っ越し業者を頼むのではなく、

出来るだけコンパクトにした荷物を

複数個ゆうパックで送り、

炊飯器や掃除機、オーブンなどの家電は通販で

現地に届くように注文し、

冷蔵庫、洗濯機は一足先に湯治留学を終えて

帰られた方から、格安で譲って頂いた。

 

少学校の転校の手続きをし

塾の休塾手続きをし直し・・・。

この時、一つ迷ったのが、休塾か退塾か?

 

次男は小学3年から、自分の希望で進学塾に通っていた。

彼には7歳半年上の兄がおり、

兄と同じ中高一貫の私立高に通いたいと、

そのために兄と同じ塾に通い、

兄が習ったと同じ先生のクラスで勉強することを

楽しみにしていた。

数ヶ月に一度のクラス分けテストで、

折角上位クラスに留まり続けていたのに、

4年生の半ばからは、アトピーの影響で休みがちになり

終わり頃にはほぼ通えなくなっていた。

このまま東京に残っても、学校にすら通えない状況で

勉強どころではないのだけれど、

彼がずっと希望していた学校への進学を

本当に諦めてしまってもいいのか?

もし1年後、こちらに戻れるくらいに回復したとしたら、

11月以降何とか出来る可能性は無いのか?

そんな思いから、退塾ではなく、休塾とした。

最後の悪あがき・・・。

兎に角今は、出来るところで、出来ることを・・・。

 

引越しに向けて準備するうちにも、

次男のアトピーは、再び悪化しはじめた。

9月半ば。埼玉はまだ暑い。

折角良くなりかけたのに、また悪化することは

次男にとっては恐怖だった。

はじめての湯治の時、却って悪化した時の

悪夢のような体験。

私にしても同様だ。

 

そこで今回は、まず温泉閣旅館に何泊かして

落ち着いてから町に連れて来ることにした。

温泉閣に泊まれば、夜中でも温泉に入れるので、

夜中辛くなったら、すぐ温泉に入れることが出来るし、

湯の花荘のように温泉まで歩くことも無い。

昼間はふれあいセンターの湯治湯に入り、

疲れたら広間で休む。

その間に私は、住むことになる部屋を掃除し、

電気ガス水道等の手続きをし、

最低限生活出来るように整える。

私が町で手続きしている間、次男は温泉で1人になってしまうが、

ふれあいセンターのスタッフの方は

顔見知りになっていてとても親切にして下さっていたし、

湯の花荘に行けば、誰かしらいるに違いない。

綱渡りのような私の引っ越し計画。

それが可能に思えたのは、やっぱり豊富の人達の温かさだったと思う。