北の空から~アトピー湯治留学 豊富温泉へ移住

アトピーの息子と北海道の北の端の豊富温泉に湯治留学するまでの出来事とそこでの日々を綴ります。

目に映るもの、、、網膜はく離

 

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   昨日のこと・・・

空に向かって、スマホをかざし、一心にシャッターを切っていた私に、

通りすがりのおじいさんが声をかけた。

「何を撮ってるの?昼間から、仕事はしなくていいの?」

「1時の電車に乗り遅れてしまって、豊富まで帰るのに、

次は5時過ぎまで、電車が無いんです。」

「誰か迎えに来てくれないの?」

「うーん、こっちの人間じゃないんで・・・。」

「どこから来たの?」

「東京・・・」

「じゃあ、東京には迎えに来てくれる人はいるの?」

「うーん、、、離婚しちゃったし、、、向こうにも、

いないですねえ・・・。」

「・・・。

分からないもんだね。

気楽そうに、写真を撮ってるのかと思ったら・・・。」

 

 ついでに言うと、

電車ではアクセスが不便な稚内に、

平日の昼間わざわざ出かけたのは、

右目の網膜から出血し、レーザー手術を受けるため・・・。

 

 ついでに言うと、網膜からの出血は

4月から数回目で、その度レーザー手術で患部を固めては、

また出血し・・・を繰り返していて、

本格的な網膜剥離が起これば、失明の可能性もあり、

そしてそれは、低くない可能性だと言われており・・・。

しかも、本格的な網膜剥離の手術は、稚内では出来ないので、

一番近くても、旭川医大まで行かなくてはならないけれど、

ここから旭川までは特急でも4時間近くかかる上、

一日に何本もは走っていない・・・。

網膜が剥離してから手術まで時間が経ちすぎると、

手術しても、視力が戻る可能性が低くなってしまうという。

だから、異常が起きたら、夜中でもタクシーを走らせて、

稚内まで来て下さい・・・と医師は言う。

けれど、豊富にはタクシーは1台しかなく、昼間でもなかなか空いてない。

しかも夕方5時以降は営業してない・・・。

  

 そんな状況で、先週の水曜日の午後のこと、

右目がいきなり真っ白になり、何も見えなくなった。

「え?え?網膜はく離?」

今までも、いきなり目の中が砂嵐状態で、視界が半分以下になったり、

濁った水の中にいるように滲んだように見えるようになったり、

その度、レーザーで出血箇所を塞いできたけど、

今回は、何にも見えない・・・真っ白・・・。

 落ち着かなくちゃ・・・

と思いつつ、テンパって空回りしてる私を、

職場の上司が稚内の病院まで送ってくれた。

 結果、まだ剥離は起こってなかったらしく、

また別の箇所からの出血。

 ただ、出血で目の中が濁っていて、出血箇所が特定できず、

金曜日に再び受診し、更に昨日の水曜日に、

やっと出血箇所が特定できたとのことで、

またレーザー手術。

 痛みに耐えて耐えて・・・・

必死で我慢しているうち、貧血で気が遠くなり・・・

車椅子で運ばれて、診察室のベットで横になっていたため、

1時の電車に乗り遅れた・・・

という次第。

 

 失明・・・したらどうしよう・・・?

どうやって息子を育てたらいい?

目が見えなくて、息子にしてあげられることってあるのだろうか?

 今までも、その時出来ることを必死で頑張ってきたつもり・・・。

不器用な私には、頑張ることしかできないから・・・。

 だけど・・・

頑張っても、頑張っても、辛いことばかりが起こって、

今度は目まで見えなくなっちゃうのだろうか・・・?

 

 そんなことを思いながら、シャッターを切っていた私の姿が、

のどかに映っていたなら・・・

 

 先日診察してくれた医師が言った。

「昔、網膜はく離のレーザー手術をしたときの穴が大きくて、

手術の跡が引き攣れていて、周りの網膜も剥がれやすくなっています。」

「・・・」

別れた夫に顔を踏みつけられた時の・・・?

 

 シャッターを切りながら、

本当は泣きたかったのに・・・。