北の空から~アトピー湯治留学 豊富温泉へ移住

アトピーの息子と北海道の北の端の豊富温泉に湯治留学するまでの出来事とそこでの日々を綴ります。

 雪、雪、雪・・・

  11月に入り、雪が降り出した豊富。

降り出すとあっという間に積もっていく雪。

初めての雪かき。

普通のシャベルではなく、幅の広いシャベルのようなもので

雪を押して一箇所に集めて山のようにする。

雪かきするそばから降り積もるので、

毛糸の帽子を被った頭から、雪まみれ。

手袋をしていてもあっと言う間に

冷たいを通り越して手が痛くなる。

30センチも積もってしまうと、非力な私では

シャベルを押しても動かなくなってしまうことが分かったので、

出来るだけ小まめに雪かきすることにした。

多い日は一日4、5回。

 

北海道の家は、玄関が二重構造になっていて、

まずひとつ目の扉を開けると、風除室という空間があり、

ここで雪を払って玄関の扉を開ける。

風除室は外並みの寒さなので、冬場はここに食材等を置いておくと

冷凍庫代わりになる。

もし凍らせたくなければ、冷蔵庫へ。

 

この風除室の扉を閉める時に、

外が吹雪いていたりすると、

扉の間に雪が狭間って少し隙間が空いたりする。

それをそのままにしてしまうと、扉が凍りついてなかなか開かない!

ということに・・・。

 

雪かきも豆にしないと、残った雪が凍ってしまい、

どんどん根雪が厚くなってしまう。

凍った雪の上を歩くと、

気を抜いた途端、すべって転ぶ・・・。

 

雪道の買い物で、何度転んだことか・・・!

足に体重をかけて、出来るだけ垂直に足を下ろす。

急がば回れで、慎重に慎重に・・・。

雪で滑って転ぶのは、一瞬の出来事で

かなりの勢いがあるので、半端なく痛い・・・。

冷たい雪の上なのに

暫くは身動き出来ずに息を凝らして痛みに耐える。

 

北海道、初心者だからかな?

と思っていたら、北海道の人も転んで骨折したと言う話。

そうなのか・・・。

兎に角、凍った雪は怖い。

 

屋根の下には氷柱(つらら)。

子供の頃憧れたな・・・。本物見ることってあまり無かった。

 

息子が外で濡れたタオルを振り回してみた。

カキン!と凍って、棒状になったタオルは

垂直に立った。

写メで撮って埼玉の友達に送る。

「凄いでしょ・・・。」

 

それでも今年の冬は、

例年に比べるとかなりの暖冬で、

雪も格段に少なかったと言う。

 

毎年必ず数回は、吹雪で学校が休みになると聞いていたが、

今年は1度も休みにはならなかった。

温泉行きのバスは、何回も止まったし

電車もすぐ不通になったけれど・・・。

 

朝窓の外を見ると吹雪いて外が真っ白。

1人で学校まで行かせるのが心配で

学校の近くまで付き添った事があった。

横殴りの雪で傘なんか役に立たない。

マスクをしていてもマスクの中に雪が吹き付けて

凍る。

一歩一歩、足を進めるのがやっと。

途中息子が私に向かって何度も

「もういいから、ママは戻って。」

と言う。

自分は学校に着くから大丈夫。それよりも、ママは

これから家までまた引き返さなくてはならないから、

早く家に戻って言う。

そう言われても、

周りに歩いている人など無い中で、

もしものことがあったらと思うと

少しでも学校近くまで見守りたかった。

校門近くで、他の子供たちの姿が見えたところで引き返すことにした。

けれど・・・

兎に角、真横から吹き付けてくる雪、雪、雪・・・。

足を取られないように必死で歩いた。

手が悴んで云うことを効かない。

このまま歩くのを辞めたら、本当に死んでしまうのかしら?

そんなことさえ考えながら、どうにか家まで

たどり着いた時には、

貧血でぐったり・・・。

命にかかわる寒さがすぐ身近にある場所なんだと

実感した日でした。