湯の花荘のこと
豊富温泉で湯治するためには、いくつかの滞在方法があります。
一番手軽なのは、ホテルもしくは旅館に滞在すること。ただし長期滞在となるとそれなりの費用を覚悟しなくてはなりません。
そこで町営の自炊型宿泊施設として湯快宿があり、宿泊日数によってある程度の違いはありますが、かなり安く宿泊出来ますが、ここは比較的新しくて人気があるため、
場合によっては3ヶ月前から予約が一杯だと聞きます。
冬場の閑散期やたまたまキャンセルが出て直前でも予約が取れたと言う話も聞きますが・・・。
しかし、1番費用を抑えて長期で湯治をしたいなら、湯の花荘です。
ただ、とても古い施設ですので、利用する方によっては向き不向きがあるかと
思います。
そこで、湯の花荘での生活について、お話してみようと思います。
前にも書いたと思いますが、湯の花荘の料金設定は一ヶ月か、半月単位で、
日割り計算はしません。
短期間の滞在予定なら、割高になることもあります。
入浴設備は無いので、入浴は付添の方も他の日帰り入浴施設で料金を払って入浴しなくてはなりません。この点、湯快宿ではシャワーはあるそうです。
部屋は6畳間か8畳間、もしくは10畳間で、全部で7部屋です。
台所とトイレは共同です。
元はここが湯快宿として利用されていたそうですが、新しく温泉の近くに湯快宿が
でき、残った建物を湯の花荘として利用しているそうです。
そして、ここでの住心地と言いますと・・・
私が一番辛かったのは、虫!
大小様々な蛾、蛾、蛾
アリ、はさみむし、蠅、見たことのない虫・・・。
掃除しても、掃除しても、次から次へと湧いて来る・・・。
虫が何より苦手な私には、日々虫との戦いでしたが、
一つだけ救いがあるとしたら・・・北海道には、なんとゴキブリがいないとか!
確かに、滞在中一度もお目にかかりませんでした。
それから、自炊用の共同の台所はあるのですが、
温泉街にはスーパーもコンビニも無いので、
食材を買うには、管理人さんに車を出してもらい、街まで行かなくては
なりません。
車で10分程ですが、バスは一日に4~5本しか無く、
タクシーは街に1台しか無く、夕方には終わってしまうそうなので、
移動はちょっと苦労するかも・・・。
街と言っても、小さなスーパーが2件とセコマと言う北海道お馴染みのコンビニが
あるだけ。
駅は無人駅で、券売機もありません。
電車は一日数本しか無く、しかも一両編成。
殆ど人気がありません。
バス通りを歩いても、殆ど人を見かけません。
東京の人混みを見慣れていると、
まるで同じ世界とは思えない・・・。
何だか不思議な気持ちになります。
夏でも風が強く吹き、雲の流れが早い。
お天気の変わるのも早く、晴れていたかと思うと
いきなりの土砂降り!
だから、北海道の人は外に洗濯物を干す習慣がない
そうです。
外に布団を干しているのも見かけません。
週に1,2回程、管理人さんに車を出してもらい、
買い物に行き、
温泉で過ごす。
湯の花荘からふれあいセンターまで、5分弱。
緑、緑、緑。
見渡す限りの自然の中、時折リスが横切ります。
鹿や狐が姿を見せることもあるそうです。
小鳥がさえずる。
夏なのに朝晩は肌寒く、冬用のコートを急遽送ってもらいました。
静かに、静かに、時が流れて行きます。