北の空から~アトピー湯治留学 豊富温泉へ移住

アトピーの息子と北海道の北の端の豊富温泉に湯治留学するまでの出来事とそこでの日々を綴ります。

暴風雪

f:id:houzukix:20191203125459j:imagef:id:houzukix:20191203125426j:image

 

 窓からの景色。

かすかに見えていた景色もかき消され、

本当は見えるはずの、数メートル先の木も見えない・・・。

今日は朝から暴風雪の予報。

窓の外では、ゴーゴーと、風が唸り声をあげています。

雪が真横に流れている。

 

今日は息子の小学校は休校にはならず、

こんな吹雪の中を、登校しました。

でも流石に、午前中授業となり、集団下校する予定と

学校から連絡がありました。

 

東京の冬、

寒い寒いと言いながら、通勤する。学校への道を急ぐ。

けれど、そんな日々が、何て甘かったんだろう・・・

としみじみ思う。

寒い!ではなくて、

外を歩いて大丈夫か?を考える。

 

そんなここでの生活。

それでも、息子は泣き言は言わない。

東京に戻りたいとは言わない。

 

アトピーで苦しんでいた頃に比べれば・・・

 

重度のアトピーで苦しんでいる者にしか分からない苦しみ。

 

血だらけの布団で転げ回りながら、

「死にたい!」と泣き叫んだ息子。

 

他の湯治の人達も言う。

「悪化しているときは、死にたいと思った・・・。」

 

そして、ここで肌の状態が落ち着いて、

「生きていて良かった・・・。」と。

 

アトピー患者は、怠け者ではありません。

本当はみんなと一緒に頑張りたいのに、

辛くて出来ない。

それが悔しかったり、情けなかったり・・・。

 

だけど、そんなつらい思いを乗り越えてきた人にしか分からない思いもあると

思うのです。

 

他の人がアトピーの辛さを理解できないように、

やっぱり人には理解できないような、もっと大きな辛さを抱えた人はいる。

その辛さを、同じように感じることは出来なくても、

想像することは出来る。

想像を超える辛さを・・・。

人から理解されない辛さを・・・。

 

自分より辛い立場の人がいるから、

自分はまだマシだと、比較するのではなくて、

辛い思いをしている人の辛さを

分かろうとする気持ち・・・。

 

人は自分が経験したことしか理解出来ないけれど、

相手の辛さに思いを馳せる・・・

そこに優しさが生まれるのだと思いたいのです。